「ひき肉です!」
中学生YouTuberグループ「ちょんまげ小僧」のひき肉くんがする、クセのある挨拶ですが、
正直、何が面白いのかサッパリわからん!
と思っているそこのあなた。
安心してください。(私もピコ太郎のPPAP、何が面白かったのか未だにわかりません)
ひき肉の元ネタについては>>ひき肉ですの元ネタ!youtuberちょんまげ小僧のプロフまとめ
しかし、世間の反応は違いますよね?
TikTokを始めとしたSNSではバズっており、
男子バレーボールの西田有志、高橋藍、女子バスケットの高田真希、男子サッカー日本代表の松村優太、佐藤恵允等々、多くのスポーツ選手もマネをしています。
そこで、2023年流行語大賞にノミネートされる可能性すらある、「ひき肉です!」がなぜ面白いのか?
この記事では、「ひき肉です」が面白い理由を科学的に解明したいと思います。
流行の大前提は中学生YouTuberちょんまげ小僧への親近感

「ひき肉です!」というポーズがバズっているわけですが、そもそもなぜひき肉くんが所属するYouTuberグループちょんまげ小僧が人気なのか?
それは、子供(中学生)がやっていることへの親近感が理由です。
具体的には、懐かしさや大人顔負けの編集力への賞賛。
おそらく高校生くらいの子が同じことをやっても、ピュアさが欠けるので支持されにくいです。
一方、ちょんまげ小僧は、収益のことなどを考えずに取り組んでいるため、微笑ましく感じるんだと思います。
このような“親近感”という流行の大前提があった上で、「ひき肉です」が面白いとバズっている理由を解説します。
ひき肉です!ポーズなぜか面白い!?流行しているワケ

「何が面白いのかわからないけど、世間で流行っている理由」は人の深層心理が大きく関係しています。
無意識のうちに支持している、面白いと感じてしまうのには理由があります。
- 笑いの法則!違和感・納得感理論に当てはまる
- バンドワゴン効果
- ザイオンス効果
笑いの法則!違和感・納得感理論に当てはまる
「ひき肉です!」が流行している理由の1つ目は、笑いの法則である違和感・納得感理論に当てはまるからです。
具体的にいうと、人は急激に違和感、もしくは納得感を感じたとき笑います。
以下は人が短時間で違和感、納得感を感じた時に笑ってしまう例です。
サンドウィッチマンはこの両方を良く使っています。
違和感での笑いの例
代表的な違和感の笑いが「ちょっと何言ってるかわからない」です。
伊達さんがまともな話をしているのに、なぜか伝わらない違和感が笑いを引き起こします。
- 「なんでやねん」というツッコミが出るとき
- ザ・ドリフターズのコント
- ネタバレを見せる手品(マギー司郎、マギー審司)
納得感での笑いの例
宮城県のお米のPRのシーンですが、
富沢さん「何社かNG媒体があるんで当てません」
(周囲が爆笑)
伊達さん「そういうリストはございません」
という下りですが、これは納得感の笑いです。
数日前にジャニーズ事務所の会見で、NG記者リストが問題になったことをネタにしています。
それに対して周囲が、無意識に「あ~たしかになるほど」と納得して笑ってしまっています。
- 政治の風刺漫才(ザ・ニュースペーパー、落語家による風刺)
- ものまね(松村邦洋など)
- あるある漫談(例.お見送り芸人しんいち、横澤夏子)
「ひき肉です!」は急激な違和感を感じさせる一発ギャグと同じ

「ひき肉です!」には、短い時間で違和感を感じさせる一発ギャグと同じ効果があります。
今まで色々な芸人さんがやってきた一発ギャグですが、流行るのにはちゃんとした理由があります。
以下は、ウケる一発ギャグの6つの要素です。
これらを組み合わせることでウケる一発ギャグを作ることができます。
<ウケる一発ギャグの6つの要素>
- 言葉
- 声質(声の高さ・ボリューム、イントネーション)
- 動き(手、足、体)
- 表情(目、口)
- 間
- リズム
例えば、どのような例があるか見てみましょう。
以下の代表的な一発ギャグには、必ずウケる6つの要素のどれかが入っています。
多くは言葉×動き、声質×動き×リズムのように複数の組み合わせによって構成されています。
代表的なウケる一発ギャグ(挨拶系も含む)
一発ギャグ(挨拶系含む) | 持ち主 | 要素 |
パワー | なかやまきんにくん | 声質×動き×表情 |
トゥース | オードリー春日 | 言葉×声質×動き×表情 |
ゲッツ | ダンディ坂野 | 声質×動き×間 |
オッパッピー | 小島よしお | 言葉×動き×リズム |
ぐぅ~ | エド・はるみ | 声質×動き×表情×リズム |
なんでだろう | テツ&トモ | 言葉×動き×表情×リズム |
ルネッサーンス | 髭男爵 | 声質×動き |
ミキティー! | 庄司智春 | 声質×表情 |
なぁ~にぃ~!!やっちまったな! | クールポコ。 | 言葉×声質×動き |
チクショー | 小梅太夫 | 声質×動き×表情×間×リズム |
35億 | ブルゾンちえみ(藤原しおり) | 声質×動き×表情×間×リズム |
児島だよ! | アンジャッシュ児嶋一哉 | 声質×表情 |
ワイルドだろう? | スギちゃん | 言葉×声質 |
ダッフンダ | 志村けん | 言葉×動き×表情×間 |
どんだけ~ | IKKO | 言葉×声質×動き |
ヘイ・セイ・フラミンゴ | 平成フラミンゴ | 言葉×声質×動き×リズム |
ひき肉です!ウケる一発ギャグの6要素に当てはめてみた

言葉 | 短い |
声質 | 高さ:高い ボリューム:大きい イントネーション:後ろ上がり |
動き | 頭を下げて両腕を横に広げる |
表情 | 目をつぶる |
間 | 1回手を叩いて間を空ける |
リズム | 一定 |
どうでしょうか。代表的なウケる一発ギャグと同じく、6つの要素がまんべんなく含まれています。
一発ギャグの基本は3~5秒以内に完結すること。
そして、声質に関しても高く、大きく、またイントネーションが独特です。
ひき肉くんを始めとしたちょんまげ小僧のメンバーは、福岡県八女市出身といわれています。
九州の方言の特徴の1つに、イントネーションのアクセントが後ろにあります。
標準語では「ひき肉です」のイントネーションは平坦で一定になります。
一方、九州の方言ではひきにくの「く」の音が上がります。
自分でやってみるとわかるのですが、「ひきにくです」と平坦に話してもウケる要素がありません。
しかし、ひきにくの「く」の音を上げることで、イントネーションに違和感が起こり、笑いの要素の1つ当てはまります。
バンドワゴン効果

「ひき肉です!」の流行は、バンドワゴン効果と呼ばれる心理現象が関係しています。
バンドワゴン効果とは、多くの人が支持していると、より支持が高まる人の心理現象です。
消費者の購買行動が、他の消費者の購買行動によって影響を受けることは古くから
https://www2.kobe-u.ac.jp/~aa1113/2012%20bandwagon%20and%20snob.pdf
指摘されてきた。とりわけ「他者の購買に影響を受けて自らも購買する」という現象
は「バンドワゴン効果」、反対に「他者の購買に影響を受けて自らは購買を控える」
という現象は「スノッブ効果」と呼ばれ、注目を集めてきた。
例えば、人は物を購入するときランキング1位や、人気商品を選ぶ傾向にあります。
これがまさにバンドワゴン効果で、本屋さんでみかける「今、売れています!」などのPOPはこれを狙った広告戦略です。
「ひき肉です!」に関しても、インフルエンサーやスポーツ選手など、影響力のある人が支持しだすと、権威性の法則も働くことで、より支持が高まります。
ちなみにバレーボールの高橋藍さんは、なぜ「ひき肉です!」をやったのか?との記者の問いに、バレーボールが話題になる、会場を盛り上げるため、と答えています。
🏐FIVBパリ五輪予選🇫🇷ワールドカップバレー2023🏆
— フジテレビ☆バレーボール (@fujitv_volley1) October 6, 2023
🇯🇵日本3️⃣-0️⃣セルビア🇷🇸 (25-17,25-14,25-22)#髙橋藍 選手、試合直後のインタビューです🎤
📺地上波フジテレビ系列で放送!👀
📱💻TVerでもリアルタイム配信!👀
▶️ https://t.co/4p3DEWdAnd#パリ五輪予選 #ワールドカップバレー #ココで決める… pic.twitter.com/b2gCDrKNOR
後に髙橋選手は、このパフォーマンスについて「やっぱり盛り上がるというか、バレーボールが話題になる。今日はいい形で試合ができたので、会場を盛り上げるためにやらせていただきました」と語りました。
引用 yutura
ザイオンス効果(単純接触効果)

「ひき肉です!」の流行は、ザイオンス効果(単純接触効果)にも関係しています。
ザイオンス効果とは、何回も同じものに触れていると、印象や好感度が高まり注目してしまう心理現象です。
ある対象に反復して接触することで,その対象への好意度が高まる現象を単純接触効果(mere exposureeffect)と呼ぶ(Zajonc, 1968)。
http://jsre.wdc-jp.com/emotion/pdf/es01_1/81-86.pdf
例えば、スーパーで流れている「ポポーポポポポ♪」というBGM。
全然関係ない街中で聞いたとしても、多くの人は一瞬でスーパーを思い出すはずです。
「ひき肉です!」にも同じことがいえます。
「ひき肉です!」は元々自己紹介の挨拶でした。
そして、現在はスポーツ選手などが“一発ギャグ”的にマネをしています。
しかし、TikTokやYouTubeでは単純にマネるだけではなく、音とリズム乗せた「ひき肉ダンス」が流行っています。
ファンクラブ会員数10万人以上niziuが踊るひき肉ダンス
こちらは男性6人組グループちょこらびがライブで披露したひき肉ダンス。
後ろを見てもらうとわかるように、多くのファンがいます。
ファンは推しがやることも好きになります。
例えば、推しの趣味をマネする、推しが好きなお菓子を好んで買うなど。
こちらはひき肉ダンスを考えた元祖YouTuber髭達磨
<ウケる一発ギャグの6つの要素>にもあったように、リズムが加わることでマネしたくなる人が出てきます。
さらに推しているアイドル、インフルエンサーが繰り返しやることで、「ひき肉ダンス」自体の好感度が上がっていきます。
このようにザイオンス効果によって「ひき肉です!」はバズっているのです。
まとめ
- 笑いの法則!違和感・納得感理論に当てはまる
- バンドワゴン効果
- ザイオンス効果
「ひき肉です!」が流行っている理由は、人の深層心理が大きく関係していることを説明してきました。
もちろん、
- 中学生がやっているからかわいい!
- 自分の学生の頃を思い出す!
など、郷愁に駆られることからバズっているという声もあります。
しかし、理由は分からないけどなぜか癖になる、面白いと感じるのは、無意識のうちに心が動かされているからです。
ひき肉の元ネタについては>>ひき肉ですの元ネタ!youtuberちょんまげ小僧のプロフまとめ
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